JRや阪神電鉄が乗り入れる元町駅 (兵庫県)の改札を出て、南へ歩くことおよそ5分。レトロな近代建築が立ち並ぶ神戸市中央区海岸通のエリアに、その場所はある。エレベーターのない古いビルの階段を一段ずつ踏みしめる体験そのものが、日常から非日常へと切り替わるプロローグのようだ。
店内に一歩足を踏み入れると、外の街路の喧騒が嘘のように遠のく。年月を経て飴色に変化した無垢の床材、計算され尽くしたペンダントライトの仄暗い灯り、そして不揃いながらも調和したヴィンテージチェア。Instagramで見かけるスタイリッシュな写真以上に、その空間が持つ質感は圧倒的だ。過度な装飾を削ぎ落とし、余白を大切にしたレイアウトが、一人客にも心地よい居場所を与えてくれる。