アイドル冬の時代にあって、ribbonがライブ会場を満員にし続けられた最大の原動力は、生歌パフォーマンスの驚異的な安定感でした。当時のアイドル界では口パクや被せ音源が常態化しつつあったなか、ribbonの3人は激しいダンスをこなしながらも徹底して生歌にこだわっていました。
なかでも永作博美の歌唱力は群を抜いていました。正確無比なピッチ、透明感がありながら芯の通った中高音域の伸び、そして歌詞の世界観を瞬時に声へ宿す情感の豊かさは、スタジオミュージシャンや音楽ディレクターの間でも高く評価されていました。
音楽特番やライブのバックステージを取材した当時のディレクターは、後年の回想録で次のように証言しています。
「永作さんはリハーサルの段階から声の出し方やブレスの位置をミリ単位で突き詰めていた。アイドルの枠に甘えることなく、ひとりのシンガー・パフォーマーとしてプロの矜持を持っていた。あの妥協のないストイックさが、後の芝居の世界での大成功につながっているのは間違いない」
SNSやネット掲示板上でも、「昔のライブ映像を見ると永作博美のピッチが一切ブレていなくて鳥肌が立つ」「可愛いだけじゃなく、普通に一流ボーカリストとして通用していた」といったリアルな再評価の声が今なお絶えません。