約束された終末エムラクール禁止の真相と現在の評価・相場を徹底解剖

約束された終末エムラクール禁止の真相と現在の評価・相場を徹底解剖

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2017年1月9日、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社はスタンダード環境において『約束された終末、エムラクール』を禁止カードに指定すると電撃発表しました。当時のスタンダードにおける禁止指定は『精神を刻む者、ジェイス』『石鍛冶の神秘家』以来、約6年ぶりの異常事態であり、カードゲーマーコミュニティに巨大な激震をもたらしました。

公式発表資料および開発部の声明によると、禁止に至った直接的な理由は以下の3点に集約されます。

第一に、「昂揚(Delirium)」メカニズムとの過剰なシナジーです。『イニストラードを覆う影』ブロックで登場した昂揚ギミックを主軸とする「黒緑昂揚」デッキは、『発生の器』や『精神壊しの悪魔』などを駆使して瞬く間に墓地を肥やし、5〜7ターン目にはエムラクールを安定着地させることが可能でした。さらに『霊気池の驚異』から4ターン目に踏み倒して唱えられるコンボまで成立し、環境のメタゲームを完全に一極化させました。

第二に、プロテクション(インスタント)による干渉手段の乏しさです。打ち消し呪文以外では唱えられた誘発自体を止めることができず、着地してしまうと『英雄の破滅』や各種インスタント除去が一切効きません。ソーサリー除去で対処しようにも、すでに自らのターンを乗っ取られて手札から捨てさせられるか、味方に撃たされた後であるため、実質的に着地=敗北の方程式が固定化していました。

第三に、心理的プレイ体験の著しい毀損です。相手にターンを奪われ、自分が丹精込めて組み上げたリソースを目の前でゴミのように浪費させられる体験は、プレイヤーから「対話の余地」と「ゲームの主体性」を完全に奪い去りました。公式は「対戦していて最も不快指数の高いカード」と認定し、スタンダードの健全性を保つために環境追放のメスを入れざるを得なかったのです。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。