なぜ彼女は、キャリアの初期段階においてこれほどリスクの高い顔芸に挑んだのでしょうか。当時の映画関係者や舞台裏のインタビュー記録を紐解くと、そこには演出家・福田雄一氏の徹底した演技指導と、橋本環奈さんの凄まじいプロ根性がありました。
『銀魂』の現場において、福田監督は橋本さんに対して「もっと黒目を上に!」「白目の面積が足りない」「あごを前に突き出して!」と、アイドルの看板を粉砕する容赦のないリテイクを求めたと伝えられています。当時の現場スタッフの証言によると、並の若手女優であれば涙を浮かべたり躊躇したりするような極限状態でも、橋本さんは「もう一回やらせてください!」と自らモニターをチェックし、よりインパクトのある表情を追求し続けました。
映画プロモーション時の記者会見で橋本さんは「鼻をほじるときも、監督から『第1関節は確実に通過させて』と指導されました(笑)」と笑顔で振り返っています。共演した小栗旬さんや菅田将暉さんも「環奈ちゃんの振り切り方は異常」「男の僕たちですら引くレベルの本気度だった」と手放しで絶賛していました。その結果生まれたのが、あの狂気すら孕んだ伝説の白目シーンだったのです。