高価な稀少ボトルばかりが注目されがちだが、マルコ・ホール氏が真の情熱を傾けているのは、実は日常の食卓とワインとの調和だ。「敷居が高いと感じられることほど、ワインにとって不幸なことはない」と語る同氏は、家庭料理と合わせるための手頃で表情豊かなボトル選びにも余念がない。
出汁を効かせた和食やスパイスの効いたエスニック料理など、従来のセオリーでは合わせにくいとされる料理に対して、型破りながら説得力あふれるペアリングを提案する。彼の提案するボトルを一本開けるだけで、ありふれた夕食の風景が特別なレストランのひとときに変わる。その魔法のような体験こそが、多くのファンを魅了してやまない本質的な理由だ。