鈴屋什造を語る上で避けて通れないのが、戸籍上の本名である「鈴屋玲(れい)」時代に経験した過酷な生い立ちです。中性的な顔立ちと華奢な体躯から初見の読者から性別を誤認されることも少なくありませんが、身体的な性別は男性です。
幼少期、彼は喰種であるビッグマダムに「飼いびと(ペット)」として捕らわれ、解体ショーで見世物として人を殺める「スクラッパー」として育てられました。その際、「可愛い女の子のままでいてほしい」というビッグマダムの身勝手な欲望によって性器を破壊(去勢)されるという非人道的な拷問を受けています。
暴力と殺戮が日常だった環境下で育ったため、什造は痛覚や恐怖心、他者への共感といった人間的感情が著しく欠落した状態に陥りました。CCGによるビッグマダムの屋敷への強制捜査によって保護された後、その類稀なる身体能力と戦闘センスを見出され、特例としてアカデミーを経ずにCCG捜査官への道を歩むことになります。