初心者が良かれと思ってやってしまう最大のミスが、「一生懸命伝えようとして腕全体を大振りに振り回す」ことです。実はこれ、演奏者側からすると打点がぼやけて最もテンポが取りづらい指揮になってしまいます。
ネット上の簡易解説では「大きく感情を込めて振ろう」と書かれていることもありますが、指揮の基本はむしろ「コンパクトな点」にあります。振幅が大きすぎると、腕の移動に時間がかかり、指揮者自身がテンポをキープできなくなって無意識に走ったり(加速)、遅れたりする原因になります。
また、「左手が右手とまったく同じ動きをする(完全なミラーリング)」も初心者にありがちな盲点です。両手で同じ図形を振り続けると、情報量が増えないばかりか、演奏者に圧迫感を与えてしまいます。基本の図形は右手に任せ、左手は必要な場面まで自然に降ろしておくか、みぞおち付近に軽く添えておくのがスマートなアプローチです。