瞳の中にハートマークを描き込む表現の源流は、昭和期の手塚治虫作品や初期の少女漫画にまで遡ります。当時の演出意図は、キャラクターが誰かに一目惚れした瞬間や、熱烈な憧れを抱いた状態をギャグ的かつ分かりやすく伝える「コミカルな恋心の可視化」に過ぎませんでした。
これが劇的な変化を遂げたのが、1990年代後半から2000年代初頭の美少女ゲーム(エロゲー)および同人誌カルチャーの隆盛期です。従来の赤面や涙目、息の荒さといった肉体的反応の描写に加え、精神が快楽に呑み込まれた「トランス状態」や「とろ顔」を一枚絵で過不足なく伝える記号として、瞳の中にピンクや白のハートを浮かべる表現が実験的に導入されました。
2010年代以降、pixivやSNSの普及に伴い「pixivタグ:ハート目」の登録件数は爆発的に増加。単なる性描写のオプションを超え、「アヘ顔+ハート目」「メスガキのわからせ後のハート瞳」「催眠による自我喪失のハート目」といった複合的なサブジャンルへと枝分かれし、現代における不可欠の視覚言語としての地位を確立しています。