一口に「麻」と呼んでも、植物の種類や採取される部位によって風合いや強度は大きく異なります。日本の家庭用品品質表示法において「麻」という表記が正式に認められているのは、リネン(亜麻)とラミー(苧麻)の2種類に限られています。一方で、環境負荷の低さから注目されるヘンプ(大麻)や、梱包資材などに使われるジュート(黄麻)は「植物繊維」または「指定外繊維」として区別されます。
ラミーとリネンの違いを端的に言えば、「しなやかさ」と「コシの強さ」です。リネン生地の特徴は、繊維が細く柔らかいため肌当たりが滑らかで、使い込むほどにトロリとした落ち感が増していく点にあります。これに対し、ラミーは繊維が太く強靭で、独特のシャリ感と強い光沢を持っています。高温多湿な日本の夏には、肌離れが良いラミーが好まれる一方、通年着られるシャツやワンピースにはリネンが選ばれる傾向があります。
麻織物の種類一覧を見渡すと、一般的な平織り(ローン、ポプリン、オックス)から、綾織り(ツイル)、ガーゼ織りまで多彩なバリエーションが存在します。織り方によって落ち感や通気性が変化するため、目的に応じた適切な選択が肝要です。