ネット上で流布するスキンケア情報には、皮膚科学的に見て看過できない誤解が蔓延している。その最たるものが「乾燥肌なら朝も夜も同じ高保湿クリームを分厚く塗るべき」という言説だ。
保湿クリーム 朝夜 使い方 経緯を辿ると、かつては油分の多いコールドクリームを一括して使用していた時代から、日中の紫外線・皮脂分泌と夜間の皮膚再生メカニズムの違いに合わせた「サーカディアンリズム処方」へと劇的な進化を遂げた。朝と夜では、肌が求めるクリームの機能が根本から異なる。
朝に油分や皮膜形成剤が過剰なナイトクリームを全顔に厚塗りすると、皮脂と混ざり合って酸化を早め、メイク崩れや毛穴詰まり(面皰)の直接原因となる。朝に推奨されるのは、水分を抱え込みつつ素早く角層へ浸透し、表面に油膜を残さないジェルクリームや乳液に近いテクスチャーだ。対照的に、夜間は睡眠中のエアコンによる水分蒸散を防ぐため、エモリエント成分(シアバター、スクワラン、ワセリン等)がしっかり蓋をする濃厚なクリームをハンドプレスで密閉するのが鉄則である。この使い分けを怠ると、高保湿を謳う名品であっても肌荒れを誘発する結果になりかねない。