博物館・展示施設産業がデジタル化や体験型エンターテインメントへと舵を切るなか、同館もまた新たな試みを続けている。「目黒寄生虫館特別展プロジェクト」では、地球温暖化に伴う外来寄生虫の北上や、野生動物と人間の境界線が曖昧になる現代社会が生み出す新たな感染症リスクにフォーカスしている。
寄生虫を単なる「駆逐すべき悪者」として描くのではなく、地球の生物多様性を構成する不可欠なピースとして再定義する試みだ。宿主の脳を操って行動を狂わせるロイコクロリディウムや、海の食物連鎖を繋ぐアニサキスの役割など、展示が明かす生態系のリアルは、人間中心主義的な自然観を容赦なく揺さぶってくる。