エジプトの外貨収入の柱であるスエズ運河は、かつてない試練のただ中にある。紅海周辺における安全上のリスクが解消されないまま2026年を迎え、運河を通過する船舶数はピーク時に比べて大幅に落ち込んだままだ。
こうした事態を受け、スエズ運河庁は一部の船種に対する基本料金の割引や、特定の長期契約顧客に向けた特別インセンティブを提示するなど、異例の柔軟姿勢を見せている。しかし、外貨準備高の低下に悩むエジプト政府にとって、通行料の減収は国家財政を揺るがす深刻な問題であり、料金調整の判断は極めて難しい舵取りを迫られている。