大手芸能事務所スターダストプロモーションにスカウトされ、ローティーン向け雑誌のモデルやCMで脚光を浴びた夏帆。彼女の初期の代表作といえば、映画『天然コケッコー』を置いて他にない。田舎町の澄んだ空気の中で見せたあの飾らない笑顔、素朴でみずみずしい口元の表情は、当時の日本映画界に鮮烈な記憶を刻みつけた。
その後、是枝裕和監督の『海街diary』で四姉妹の三女・千佳役を演じた頃には、少女特有の危うさは影を潜め、地に足のついたナチュラルな存在感を放つようになる。アフロヘアに個性的な古着を着こなす役柄の中で、彼女が見せる笑顔はどこまでも伸びやかで、初期のチャームポイントを残しながらも大人の女性としての骨格の美しさを際立たせていた。