現場で作業中、地面を叩いてもナイロンコード出ない原因には、物理的な破損以外に明確な3つの要因が存在します。多くの作業者が「故障した」と思い込んでカッターを買い替えていますが、実際は日常的なメンテナンス不足と巻き付け時のテンションの誤りによるものです。
もっとも頻度が高いのが「コードの熱融着」です。高速回転するナイロンコードは、草だけでなく硬い小石や縁石に衝突する際、根元部分に激しい摩擦熱が発生します。さらに、スプール内部で隣り合うコード同士が振動で擦れ合い、ナイロンの融点(約200℃前後)に近い熱を帯びることで、コード同士が溶けて一体化してしまう現象が起きます。これが、引っ張っても叩いても出てこなくなるメカニズムです。
次に、草刈機ナイロンコード絡まる理由として挙げられるのが、ナイロンコード手動巻き直しを行う際の「テンション不足と交差(クロス巻き)」です。スプールには通常、2本のコードを仕切る溝(パーテーション)が設けられています。上段と下段のコードが仕切りをまたいで巻かれたり、緩く巻かれたコードの上に強いテンションでコードが重なると、外側のコードが内側の隙間に深く食い込み、繰り出しをロックしてしまいます。
また、ナイロンカッター自動繰り出し仕組みの特性を理解しておくことも欠かせません。叩き出し式(タップ式)は、底面のボタンが地面に押し付けられた一瞬だけ内部のラチェット爪が外れ、遠心力によってコードが1〜2cmほど外へ飛び出します。内部に土砂や刈り草の汁が侵入して乾燥すると、バネの戻りが悪くなり、ラチェットが滑ってコードが全開放されるか、逆に一切繰り出されなくなります。定期的に内部を水洗い清掃するだけで、トラブルの発生率は半減します。