皮膚表面に黒い開口部(へそ)が見えると、指やピンセットで中身を押し出したくなる衝動に駆られるかもしれません。しかし、粉瘤を自分で潰す危険は極めて高く、臨床現場でも強く警告されています。
無理な圧力をかけると、老廃物が外に排出されるだけでなく、皮膚の深部で袋が破れて異物反応が起き、周囲の組織へ一気に炎症が波及します。これにより、激痛を伴う「化膿性・炎症性粉瘤」へと悪化し、周囲の正常な組織まで融解してしまいます。
万が一、入浴中や就寝中に粉瘤が破裂した際の対処法としては、絶対に絞り出そうとせず、清潔な流水や泡立てた石鹸で優しく洗い流し、清潔なガーゼや医療用絆創膏で保護して速やかに医療機関を受診してください。消毒液を過度に塗り込むと傷口の再生を阻害するため注意が必要です。
また、「痛くないから」と長年粉瘤を放置するリスクも無視できません。数ミリだったしこりが数センチ〜野球ボール大まで巨大化するケースがあり、大きくなるほど切開創が広がり、手術後の傷跡も目立ちやすくなります。