契約結婚を結ぶにあたり、ネット上のテンプレートをそのままコピーして私的な誓約書を作成するだけでは、法的なトラブルが発生した際に対処できません。
日本の民法において、婚姻は法律上の権利・義務を伴う強力な制度です。私人間でどのような合意を結んだとしても、民法第90条の「公序良俗に反する契約」は無効と判断されます。例えば、「浮気しても離婚を一切請求しない」「離婚時は必ず子供の親権を放棄する」「夜の営みを義務化する」といった条項は、法的に無効とされる可能性が極めて高くなります。
実効性を持たせるためには、公証役場で「婚前契約書(夫婦財産契約)」を公正証書として作成する手続きが不可欠です。公正証書に記載することで有効性を保ちやすい項目には以下のようなものがあります。
- 婚姻前の固有財産と、婚姻後に取得した共有財産の明確な区分
- 婚姻費用(生活費)の月ごとの分担額および支払期日
- 契約違反や合意解除(離婚)時における財産分与の方法および清算基準
- 金銭債務不履行時における強制執行認諾文言(給与差押えなどを可能にする条項)
公正証書の書き方に不安がある場合は、家族法や婚前契約に精通した弁護士や行政書士にドラフト作成を依頼し、公証人との事前調整を行うのが安全です。