結婚式準備の象徴だった紙の招待状が、急速に主役の座を譲りつつある。株式会社リクルートが展開する結婚情報ブランド「ゼクシィ」の市場リサーチでも、デジタルツールを活用した招待プロセスの導入率は年々急増しており、従来の慣習は大きな転換点を迎えた。従来の紙媒体では、印刷代や筆耕代、慶事用切手代を含めて1部あたり数百円から千円近くのコストが発生していたが、デジタル化によってその多くが圧縮される。
ブライダル産業全体の変革を後押ししているのは、公益社団法人日本ブライダル文化振興協会などが提唱する多様で自由なウエディングスタイルの広がりだ。形式美に縛られるのではなく、ゲストとの密なコミュニケーションや持続可能性(サステナビリティ)を重んじる価値観が浸透してきた。紙資源を浪費せず、招待状のデザイン自体にアニメーションや音楽、前撮りムービーを組み込める表現力の豊かさも、感度の高い新郎新婦を引きつける要因となっている。