インターネット上の住宅掲示板やSNSでは、庭木に関する数々の甘い情報や誤解が飛び交っています。こうした誤った知識を鵜呑みにして植栽を選んでしまうと、数年後に取り返しのつかないトラブルに見舞われます。
よくある誤解の筆頭が、「常緑樹を選べば落ち葉掃除から解放される」という俗説です。これは明確な誤りです。落葉樹は秋に一斉に葉を落としますが、常緑樹も古い葉を定期的に落として世代交代を繰り返しています。特にシラカシやヤマモモ、クスノキなどは、新芽が芽吹く5月から6月にかけて大量の古葉を落とします。初夏の乾燥した風に乗って隣家の庭やガレージに吹き溜まり、苦情の原因になるケースは落葉樹以上に多いのが実情です。
また、「根域を制限するために大きな植木鉢やコンテナのまま庭に埋めれば安全」という裏ワザも現場では危険視されています。プラスチック鉢や不織布ポットを地中に埋めても、数年経つと排水穴から逃げ出した強靭な根が土中深くへと突き抜けてしまいます。一度鉢を突き破った根は異常な肥大化を起こし、鉢そのものを破壊した上で周囲の地盤を侵食するため、掘り起こすことすら困難な状態に陥ります。
造園工学の観点から言えば、「手入れが一切不要で、病害虫がつかず、葉も落ちず、都合の良い高さでピタリと成長が止まる高木」など地球上に存在しません。どのような高木であっても、植える以上は剪定という人為的な介入を半永久的に継続する義務が生じるのです。