大相撲の行司給料を全解剖!階級別年収格差と装束代・手当の真相

大相撲の行司給料を全解剖!階級別年収格差と装束代・手当の真相

大相撲の行司給料を全解剖!階級別年収格差と装束代・手当の真相にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

土俵上で視線を集める華麗な装束ですが、その購入費用は協会の支給金だけでは到底賄いきれません。ここに大相撲界特有の伝統的な経済メカニズムが存在します。

十両格以上の行司が着用する装束は、西陣織などの高級絹織物を用いた特注仕立てです。刺繍や金糸の細工が施された正絹の装束は、1着あたり100万〜300万円、立行司が着用する最高級の逸品になると500万円を超えるケースも珍しくありません。本場所は1年間に6場所あり、季節(夏用の薄手、冬用の袷)に応じて複数着を揃える必要があります。

協会からは年に数回「装束手当」や補助金が支給されるものの、その額は年間に数十万円程度です。新品を何着も自費で新調できる金額ではありません。では、行司たちはどのようにしてこの莫大な衣装代を調達しているのでしょうか。

取材関係者の証言や過去の行司の手記によると、高級装束の大半は「後援者(タニマチ)」や贔屓筋からの寄贈によって成り立っています。熱心な相撲ファンや地元支援者、出身地の後援会が「昇進祝い」や「節目の記念」として行司に誂えて贈呈するのが相撲界の古くからの慣習です。行司の背中や胸元に縫い込まれた家紋や意匠には、支援者たちの祈りと誇りが込められています。

立行司が腰に差す短刀(象牙や銀細工の拵え)や軍配、印籠なども同様です。名器とされる軍配は代々部屋や師匠から受け継がれるか、後援者から寄贈された特注品であり、数十万から数百万円の骨董的価値を持ちます。つまり、行司が一人前に育つためには、単に土俵を正しく裁くだけでなく、支援者から信頼され愛される人間性や徳が不可欠なのです。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。