助産師外来や産後ケアホテルの現場では、夜間のうなり声に怯える保護者からの切実な相談が日常茶飯事となっています。育児コミュニティやSNS上でも、「夜中に唸り声で起こされ、呼吸が止まるのではないかと一睡もできなかった」「私の授乳や抱き方が悪くて苦しめているのではないかと涙が出た」といった声が数多く投稿されています。
都内の産後ケア施設で年間数百組の母子をケアするベテラン助産師は、現場の観察知見を次のように語ります。
「退院して自宅に戻った生後2〜3週目あたりから、赤ちゃんのうなり声が急激に大きくなるケースが目立ちます。多くの親御さんは『喉に母乳が詰まったのでは』『どこかが痛いのでは』とパニックになりますが、赤ちゃんのバイタルを測定しても血中酸素濃度は極めて安定しており、本人は眠ったままうなっていることが大半です。親御さんの不安が極限に達するのは、赤ちゃんの唸り声そのものよりも、『理由がわからない無力感』によるものです」
実際に、夜間にうなり声をあげている赤ちゃんの表情をビデオ判定した小児成育研究の観察記録でも、約7割のケースで赤ちゃん自身は覚醒しておらず、深い眠りと浅い眠りの移行期に無意識の運動反射としてうなりを発していることが確認されています。親が息を呑んで見守る横で、当の本人は眠りの中で身体の協調運動をリハーサルしているのが現場のリアルな姿です。