ネット上の掲示板やSNSでは、時に「セックスシンボル=単に露出度が高く、男性ファンに媚びているだけのタレント」という短絡的なレッテル貼りが散見されます。Yahoo!知恵袋やまとめサイトのコメント欄でも、「性的に消費されているだけではないか」という疑問が定期的に投稿されています。
しかし、カルチャー史の実態を客観的に検証すると、この解釈は明らかな誤解であることが分かります。歴史に名を残した人物で、他者からの要求に唯々諾々と従っていただけのアイコンは一人も存在しません。
第一の盲点は、彼女・彼らが「時代の表現規制やタブーに対する闘争者」であった事実です。例えば1950年代のモンローは、当時ハリウッドを牛耳っていた大手スタジオの不当な専属契約制度に真っ向から反旗を翻し、自ら独立プロダクション(マリリン・モンロー・プロダクションズ)を設立した先駆的ビジネスウーマンでもありました。マドンナに至っては、宗教的権威や家父長制に対する挑発をポップアートに昇華させ、MTV文化の頂点に立ちました。
第二の盲点は、「同性の共感なきアイコンは短命に終わる」という業界の鉄則です。単に異性の視線だけを意識したグラビア活動や露出は、消費のスピードが極めて速く、数年で忘れ去られる傾向があります。一方で、何十年も語り継がれる歴代のシンボルたちは、インタビューで見せる知性や生き方の潔さ、脆弱さを隠さない率直な告白によって、同世代の女性たちから圧倒的なリスペクトを獲得してきました。