点滅信号が稼働している時間帯において、ドライバーが見落としがちな最大の死角が歩行者の存在です。多くの点滅信号交差点では、深夜帯に入ると歩行者用信号が「消灯」するか、車両用信号と同じく点滅状態になります。
この状況下における点滅信号歩行者横断のルールについて、勘違いをしているドライバーが目立ちます。「信号が消えている、または黄色点滅なのだから、車が優先されるのではないか」という思い込みです。しかし、道路交通法第38条(横断歩道等における歩行者等の優先)の効力は、点滅信号下でも何ら弱まることはありません。
横断歩道に横断中または横断しようとする歩行者がいる場合、車両は横断歩道の手前で必ず一時停止し、歩行者の通行を妨げてはなりません。歩行者用信号が消灯している交差点は、法的には「信号機のない横断歩道」と同等の扱いとなります。横断歩道の手前30メートル以内の追越し・追抜き禁止規定も含め、歩行者保護義務は完全に適用されます。
また、黄色点滅における徐行義務の境界線も見落とせません。前述の通り、道路交通法施行令第2条には徐行の直接規定はありませんが、道路交通法第42条により「見とおしがきかない交差点」「道路の曲がり角付近」では徐行が義務付けられています。夜間の暗がりで歩行者や自転車の動線が判別しづらい交差点では、徐行を怠って事故を起こした場合、「安全運転義務違反」にとどまらず重大な民事・刑事責任へと発展します。