日本テレビ系『ものまねグランプリ』において、長年看板パフォーマーとして番組を牽引してきたコロッケが2022年秋に「大会からの卒業」を発表した際、テレビ業界および視聴者の間には激震が走りました。一部の週刊誌やネットニュースでは「事実上の芸能界引退か」「ギャラや制作陣との対立か」といった根拠のない噂が一人歩きしましたが、取材関係者の証言や本人の手記から浮かび上がる真相は、まったく異なるものでした。
勇退を決断した最大の動機は、「次世代を担う若手ものまね芸人への道筋を開くこと」にありました。当時60代を迎えていたコロッケは、自らがコンテスト形式の番組で優勝や上位を独占し続ける構造が、意欲ある若手芸人の露出機会や成長を阻害しているのではないかという強い危機感を抱いていました。「自分がいつまでも壁として立ちはだかるのではなく、若い世代がしのぎを削ってスターダムを駆け上がる舞台を作りたい」という後進育成の精神が、決断の根底にあったのです。
さらに、採点方式による「勝ち負け」に縛られることで、自身の持ち味である自由奔放かつ前衛的なステージングが制限されるジレンマも抱えていました。点数を競うプレッシャーから解放され、純粋に観客を驚かせ楽しませる総合エンターテインメントを追求したいという表現者としての本能が、勇退という前向きな選択を後押ししました。現在も特別ゲストや後進を見守るスーパーバイザーとしての関係性を保っており、確執説は完全な事実無根です。