えなりかずきの名前を不動のものにしたのが、TBSテレビを代表する国民的人気作『渡る世間は鬼ばかり』だ。脚本家・橋田壽賀子が紡ぎ出す膨大な長セリフを、小学生にして完璧に暗記し、NGをほとんど出さなかったという逸話は今なお語り草となっている。
劇中で母親役を演じた泉ピン子との迫真の掛け合いは、家族の葛藤や温もりを鮮烈に描き出した。日本のホームドラマというジャンルにおいて、これほど長く世代を超えて愛された作品は他に類を見ない。撮影現場で培われた圧倒的な集中力とプロ意識こそが、現在の彼の揺るぎない土台となっている。