放送から年月が経っても本作の熱狂的なファンが増え続けている背景には、後年の日本ドラマ界を牽引することになる豪華キャスト陣の「奇跡的なアンサンブル」が存在します。特に主人公・杉下希美を演じた榮倉奈々と、安藤望を演じた賀来賢人は、この共演をきっかけに交際へと発展し、2016年に結婚を発表したことは有名なエピソードです。劇中でのふたりの絶妙な距離感や、眩しすぎるほどの青春の輝きは、現実のふたりの歩みとも重なり、今なお多くの視聴者の胸を熱くさせています。
また、杉下希美と過酷な境遇を分かち合う成瀬慎司を演じた窪田正孝の繊細な演技も見逃せません。小豆島を舞台にした高校時代のパートでは、言葉を交わさずとも心を通わせるふたりの純粋な絆が描かれ、視聴者から「切なすぎて涙が止まらない」と絶賛されました。互いに過酷な秘密を背負いながら、東京で再会したあとも互いを守るために嘘を重ねていく姿は、ミステリーの枠組みを超えた純愛劇としての完成度を物語っています。
物語の中心となる高級タワーマンション「スカイローズガーデン」で起きる殺人事件の相関図は、単なる愛憎劇にとどまりません。野口貴弘(徳井義実)とその妻・奈央子(小西真奈美)、そしてそこに介入する西崎真人(小出恵介)。この3人の歪んだ心理関係に、杉下、成瀬、安藤の3人がそれぞれの思惑で関与していく緻密な脚本は、登場人物全員の名前の頭文字が「N」であるという仕掛けとともに、視聴者を深い思索へと誘います。