毒島の原点は、地元であるボートレース桐生にある。標高が高く、気圧の変化や夜間の気温低下が激しい桐生の水面は、レーサーにシビアなモーター調整力と繊細なスタート勘を要求する。この過酷なホームプールで磨かれた技術が、全国どこの水面へ遠征しても揺らがない強固な土台を築き上げた。
群馬支部には、かつて一時代を築いた偉大なレジェンドたちが存在する。その熱き血統とクラフトマンシップを受け継ぎつつ、毒島はそれを現代的なロジカルシンキングへと昇華させた。日本モーターボート競走会が定める厳密なレギュレーションの中で、モーターの潜在能力を100パーセント引き出す探究心は、まさに熟練のエンジニアそのものである。
風が吹き荒れる難水面であろうと、静水面のスピードバトルであろうと、桐生仕込みの適応力があれば恐れるものはない。その自信が、彼のヘルメットの奥の鋭い眼光に宿っている。