激しい変化の波に晒される一方で、文京区が誇る自然と歴史的景観を守ろうとする住民たちの動きも熱を帯びている。区内に点在する110以上の名ある坂道や、六義園・小石川後楽園といった大名庭園の周辺では、マンション建設に伴う日照権や景観を巡る議論が絶えない。
新しく移り住んできた世代と、代々この地に暮らす老舗の店主や地主たち。両者の間には時として摩擦が生じるものの、単なる反発ではなく「街の品格をどう維持するか」という共通のテーマのもと、独自の景観ガイドラインや地域コミュニティの再編が進められている。古いものを安易に壊さず、新しい機能をいかに調和させるかという模索は、他の都市部にとっても貴重なケーススタディだ。