池内万作のキャリアを語るうえで外せないのが、徹底した「下積みと演技の基礎訓練」です。有名映画監督の息子でありながら、安易に日本の芸能事務所へ所属する道を選ばず、和光高等学校を卒業した後に英国ロンドンへ3年間留学。現地の演劇学校で徹底的に発声や身体表現の基礎を叩き込まれました。
帰国直後の1995年、映画『君を忘れない』で本格デビューを果たし、同年には父・伊丹十三監督が作家・大江健三郎(伊丹監督の義兄)の小説を映画化した『静かな生活』に抜擢されます。知的障害を持つ青年・イーヨー役という極めて難易度の高い役柄を全身全霊で演じ切り、第19回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。この作品では母親である宮本信子とも共演しており、映画史に残る貴重な親子共演となりました。
その後もNHK連続テレビ小説『天花』や大河ドラマ、テレビ朝日系『相棒』『科捜研の女』シリーズなど、数多の作品で独自の存在感を発揮。近年ではサスペンスや人間ドラマにおいて「一見温厚だが裏に狂気や悲哀を秘めた人物」を演じさせたら右に出る者はいないと監督陣から絶大な信頼を寄せられています。私生活では2016年に一般女性と結婚。料理男子としての腕前もプロ級で、SNSやメディアで披露される生活感あふれる穏やかな人柄もファンを魅了しています。