藤谷美和子の芸能界デビューは、あまりにも劇的だった。14歳でスカウトされるやいなや、CM出演で一躍全国区の顔となる。「100円でカルビーポテトチップスは買えますが…」と語りかけるフレーズは、昭和のテレビ文化を象徴する語録として今も語り継がれている。可憐な容姿の裏に揺らめく独特の危うさ。その両義性が、劇作家や映画監督たちの創作意欲を激しく刺激した。
だが、時代の寵児であり続けることの代償は大きかった。2000年代初頭、彼女をめぐる風向きは大きく変化する。2003年の皇居前での騒動をはじめ、ホテルでの長期滞在や突然のメディア露出など、連日ワイドショーが彼女の動向を追い回した。心身の疲弊、過密日程による歪み――さまざまな推測が飛び交う中、彼女はゆっくりと、しかし確実にカメラの枠外へと足を踏み出していった。