どん底の苦境にあった岡八郎を献身的に支え続けたのが、実の娘でありゴスペル・ジャズシンガーとして活動する岡愛恵(おか まなえ)さんでした。愛恵さんは父の介護に寄り添い、過酷なリハビリを二人三脚で支え続けました。酒を断ち、再び舞台へ立ちたいという父の願いを叶えるため、生活のすべてを捧げて励まし続けたのです。
娘の愛と本人の不屈の闘志が実を結び、2003年には芸能生活45周年記念公演で奇跡の舞台復帰を果たします。杖をつきながらも舞台に現れ、あの「くっさー!」や「隙があったらかかってこんかい」を披露すると、劇場は割れんばかりの拍手と涙に包まれました。愛恵さんにとって父親としての岡八郎は、不器用で傷つきやすく、誰よりも家族と笑いを愛した誇らしい存在でした。