「京都駅ビルは観光客向けで混雑ばかり」という先入観を持つ人は少なくありません。しかし、現場の利用実態を丹念に追うと、地元民ほどその立体的な空間特性を巧みに活用し、喧騒を避けて上質な時間を過ごしている実態が浮かび上がります。迷宮化しやすい京都駅ビル構内図フロアマップを頭に入れる際、まず意識すべきは「烏丸口側(北側)の東西軸」と「地上高低差」の把握です。
西側にそびえるジェイアール京都伊勢丹側には、名所として名高い「室町小路広場」の大階段が配置されています。一方、東側には京都劇場やホテルグランヴィア京都が位置し、中央の巨大アトリウムを挟んで対照的な構造を描いています。この東西の主軸を地上45メートルの高さで結んでいるのが、知る人ぞ知る京都駅ビル空中径路見どころの真骨頂です。アトリウムの鉄骨トラス構造を間近に臨みつつ、北側には京都市街と京都タワーを正面に捉える展望窓が連続し、日中はもちろん夕暮れ時のグラデーションは息をのむ美しさを誇ります。空中径路へは東広場側もしくは伊勢丹10階の拉麺小路側からアクセス可能ですが、案内サインが控えめなため、人流のエアポケットとなっています。
さらに外せないのが、西タワー最上部に広がる京都駅ビル屋上展望台夜景(葉っぴいてらす)です。大階段を最上段まで登りきった先にある屋上庭園は、風が吹き抜ける緑化空間となっており、南側の新幹線プラットホームから南区方面、さらには比叡山や東山連峰までを360度パノラマで見渡せます。入場無料でありながら、夜間はフットライトが灯る落ち着いた大人の展望空間へと変貌し、旅の締めくくりに立ち寄るスポットとして比類なき価値を持っています。