鉄道各社による駅舎のリニューアルも、三宮の魅力を多層的なものにしている。阪急電鉄株式会社が手掛けた駅ビル「EKIZO神戸三宮」の成功に続き、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)が進める新駅ビル事業によって、乗り換えの利便性は飛躍的に向上した。改札を出てから他路線への移動がスムーズになり、ストレスのない回遊性が実現している。
一方で、整然とした最新鋭の建築群の中にも、神戸らしいレトロな温もりがしっかりと息づいている。かつて映画『阪急電車 片道15分の奇跡』で描かれたような、沿線に漂う独特の人間模様や上質な日常風景は、新しく生まれ変わったホームや改札のあちこちに今も色濃く残る。過去の記憶と未来の景観が見事なバランスで同居している点こそ、この街の真骨頂と言えるだろう。