宝塚退団後、本格的にポピュラー歌手としての道を歩み始めた越路吹雪さんは、フランスのシャンソンと出会い、そのドラマティックな表現力で日本中を魅了していきます。なかでも伝説として語り継がれているのが、日生劇場で行われたロングランリサイタルです。
1960年代から始まった日生劇場でのロングラン公演は、チケットが瞬く間に完売するプラチナステージとなりました。越路吹雪さんの名曲・代表曲として知られる数々のナンバーは、この舞台で極上の輝きを放ちました。
特にエディット・ピアフの名曲を日本語でカバーした『愛の讃歌』は、越路吹雪さんの代名詞となり、失意の底から立ち上がる人間の愛の深さを歌い上げました。さらに、甘く切ないメロディが胸を打つ『ラストダンスは私に』や、若者のやるせない心情を歌った『サン・トワ・マミー』など、彼女が歌うことで日本人の心に深く根づいたシャンソンは数え切れません。