漢字を素直に分解してみよう。「御(お・ご・おん)」に「徒(と・いたずら・かち)」、そして「町(まち・ちょう)」。普通に読めば「ごとまち」か「おんちょう」、あるいは「ぎょとちょう」と読みたくなるのが人情というものだ。
最大の関門は、中央に居座る「徒」という一文字にある。現代日本語で「徒」を「かち」と読ませる場面は、日本史の授業や大河ドラマくらいでしかお目にかかれない。「徒歩(とほ)」のイメージが強すぎるあまり、これが単体で「かち(歩くこと)」を意味していた古語の感覚は、現代人の脳内辞書から完全に消え去っているのだ。初見で正解に辿り着けないのは、決して教養不足のせいではない。