彼がこれほどまでに伝説視されるのは、容姿の美しさ以上に、将棋史における実績が群を抜いていたからです。1954年、加藤一二三は14歳7か月でプロ入りを果たしました。この記録は、2016年に藤井聡太が14歳2か月でプロデビューを飾るまで、実に62年間破られなかった大記録です。
日本の初代天皇とされる神武天皇の即位以来、これほどの天才は現れなかったという意味を込め、当時のメディアや将棋界は彼を「神武以来の天才」と命名しました。単なるキャッチコピーにとどまらず、その後の快進撃は将棋界の常識を根底から覆すものでした。
プロデビュー後、順位戦においてC級2組から1年に1クラスずつ昇級を重ね、わずか18歳で最上位であるA級八段へと到達。20歳にして大山康晴名人に挑戦するなど、まさに破竹の勢いで将棋界の頂点へと駆け上がったのです。