この拠点を開設し、長年にわたり紙文化の継承と普及を担ってきたのが一般財団法人日本折紙協会である。世界共通の折り紙記号や図案記述法を確立した伝説的折り紙作家、吉澤章の精神は、今も館内の至る所に息づいている。
吉澤が目指したのは、単なる形模倣を超えた「命の通った造形」だった。彼が考案した、紙に湿り気を与えて滑らかな曲線を表現する「ウェットフォールディング」技法による初期作品群は、伝統工芸品としての高い品格と温もりを漂わせている。先人たちが拓いたパイオニア精神が、現代の創作ペーパークラフトの世界にも脈々と受け継がれていることを実感できる。