ソーシャルメディアの普及は政治参加のハードルを劇的に下げたが、同時に法的地雷原を広げる結果となった。特に注意が必要なのがプラットフォームごとの規制内容の違いだ。
総務省や各自治体の選挙管理委員会が繰り返し注意喚起を行っている通り、一般有権者がウェブサイトやSNSを使って選挙運動を行うことは解禁されている。しかし、電子メールを用いた選挙運動は候補者や政党等にしか認められていない。X(旧Twitter)でのダイレクトメッセージ(DM)やLINEメッセージの扱いには細心の注意が必要であり、不特定多数に向けた一斉送信型のメッセージングは違法と判断されるリスクを常に孕んでいる。
動画共有サイトでも新たな問題が噴出している。YouTubeのライブ配信機能で候補者を応援する際、視聴者が「スーパーチャット(投げ銭)」を送る行為は、実質的な個人献金や政治資金規正法・公選法の制限に抵触する恐れがある。候補者側がこれを受け取れば違法寄附の受領、支援者側は不正な資金供与とみなされかねない。画面をタップする数秒の操作が、重大な刑事事件の引き金になり得るのだ。