近年、北海道の雪虫ニュースなどで「前が見えないほどの猛烈な雪虫の嵐」がトップニュースとして取り上げられ、全国的な関心を集めました。かつては初冬の風情として語られた現象が、なぜ都市機能を一時的に麻痺させるほどの規模へ膨れ上がったのでしょうか。
昆虫生態学や気象観測データの分析から浮かび上がった雪虫の大量発生の理由は、夏の異常高温にあります。アブラムシ類は気温が25度から30度前後に達すると発育速度が劇的に早まり、通常よりも短いスパンで世代交代を繰り返す性質を持ちます。雪虫の発生原因が猛暑にあるとされるのは、夏期に天敵を上回るペースで爆発的に個体数が増殖するためです。
さらに秋口に入り、急激な冷え込みと日照時間の変化が引き金となって、増殖した膨大な個体群が一斉に有翅成虫へと変化します。風が穏やかで気温が10度から15度前後に持ち直した小春日和の日、数百万・数千万匹に及ぶ雪虫が同時に空へ舞い上がることで、都市部を覆い尽くすほどの異常飛来が発生するのです。