ネット検索で「でかい プッチン プリン」と入力すると、必ずと言ってよいほど「バケツサイズ」「巨大バケツプリン」というフレーズが関連ワードに浮上します。YouTubeの企画動画やSNSの画像を見て、「グリコがバケツに入ったプリンをそのまま売っている」と思い込んでいる読者も少なくありません。
しかし、これはネット空間で長年定着してしまった大きな誤解です。江崎グリコ公式がスーパーの店頭などで「そのまま食べられる数リットルのバケツプリン」をチルド製品として一般販売した実績はありません。
世間に出回っている「バケツプリン」の正体は、主に以下の2つのパターンに分類されます。
- 玩具メーカー等による手作りキット:代表的なものがタカラトミーアーツの「超ギガプリン3.0」など。専用のバケツ型容器とプリンの素がセットになっており、牛乳約2リットルを使って自ら加熱・冷却して成形するホビー商品です。
- 業務用の大容量プリンの素を用いた自作:製菓材料店やネット通販で購入できる大袋のプリン液を溶かし、家庭用の100円ショップのバケツに流し込んで冷やし固めた手作り動画がネット上で拡散されたもの。
なぜメーカーは公式にバケツサイズの既製品を販売しないのでしょうか。食品工場の製造ラインの観点から見ると、チルドデザートとして数キロ規模のプリンを充填・均一殺菌・中心部まで急速冷却することは技術的に極めて困難です。中心まで熱が通る間に周囲が劣化する品質管理上のリスクや、賞味期限の担保が難しいため、市販の完成品としては380gのHappyプッチンプリンが商業流通における事実上の限界点なのです。