メガネを雑に扱っている自覚がなくても、日頃の「良かれと思ってやっているケア」がコーティング寿命を縮めているケースが多発しています。メガネレンズ コーティング剥がれ 原因として、眼鏡技術者が現場で最も多く目撃する4大要因を紐解きます。
1. お湯・熱によるクラック(お風呂・サウナ・ドライヤー)
プラスチックレンズの最大の天敵は「熱」です。メガネをかけたままのお風呂、サウナ、ドライヤーの温風、さらには真夏の車内放置(車内温度は60℃〜80℃に達する)により、レンズ表面に無数の細かいヒビ割れが生じます。メガネレンズ 熱 お湯 クラックと呼ばれる現象です。
このクラックが起きる原因は、基材であるプラスチックと表面の無機コーティング膜の「熱膨張係数の差」にあります。プラスチック基材は熱によって大きく膨張しますが、表面の金属酸化物蒸着膜はほとんど膨張しません。内側から押し広げられたコーティング膜が耐えきれなくなり、ガラスが割れるように裂けてしまうのです。お湯の適温限界は約40℃未満であり、45℃以上の熱湯をかけると一瞬でクラックが発生することがあります。
2. 除菌用アルコール・ウェットティッシュによる拭き取り
衛生意識の高まりから、スマートフォン同様にメガネをアルコールスプレーや除菌シートで拭く人が急増しました。しかし、メガネ アルコール拭き 剥がれのリスクは極めて高いと言わざるを得ません。
アルコール(エタノール)や有機溶剤は、レンズ表面の最外層にある撥水・撥油コートを有機的に溶解・変質させます。また、フレームのアセテート素材やポリカーボネート樹脂を白濁・劣化させ、クラック(ケミカルクラック)を誘発する引き金にもなります。メーカーが「アルコール使用可」と明記している専用クリーナー以外での消毒は厳禁です。
3. 超音波洗浄機の誤った使用頻度と放置
メガネ店の店頭や家庭用として普及している超音波洗浄機ですが、使いすぎは禁物です。超音波洗浄機 メガネ コーティング 劣化の事例として、微細な傷が入っているレンズに高周波振動を与え続けることで、傷の隙間から水が入り込み、コーティングが剥がれ落ちる現象が確認されています。洗浄時間は1回あたり1分以内にとどめ、温水を入れるなどの誤用は避けなければなりません。
4. 砂埃が付着した状態での乾拭き
外出先から帰宅した際、レンズに付着した花粉や砂埃(主成分は硬い石英・ケイ素)をそのままメガネ拭きやティッシュで乾拭きすると、紙ヤスリでこすっているのと同じ状態になります。物理的なスクラッチ傷が入り、そこから水分や皮脂が浸入して膜剥がれが連鎖的に広がっていきます。