裁判所による解散命令審理が佳境を迎えるなか、法務省と文化庁の内部では過酷な検証作業が深夜まで続けられてきた。旧統一教会の資産全容を把握し、海外への資金流出を食い止めるための保全措置は、現行の宗教法人法がいかに「想定外」の事態に無力であったかを痛感させる結果となった。文化庁関係者は匿名を条件に「法令違反の立証には膨大な時間と証言が必要であり、現行法制度の遅効性が被害の拡大を許した面は否定できない」と明かす。
これを受け、国会では宗教法人法の根本的な見直しに向けた超党派の議員連盟が本格始動した。従来の認証制度を維持しつつも、悪質な法令違反が疑われる団体に対する調査権限の強化や、解散命令請求時における迅速な仮差し押さえ制度の創設が焦点となっている。しかし、強権的な法改正は健全な宗教活動や思想・信条の自由を脅かす諸刃の剣でもある。法学者からは「個別の違法行為に対する厳罰化と、憲法が保障する信仰の自由とのバランスをどこに引くべきか」という慎重論も根強く、与野党での調整は難航を極めている。