「出雲市に移住して感じた最大の恩恵は、食の豊かさと通勤ラッシュからの解放」と語るのは、関西圏から移住した30代のITエンジニアです。出雲平野ののどかな風景と、宍道湖や日本海の恵みを日常的に享受できる生活は、心身のゆとりを大きく向上させます。また、毎年旧暦10月(神在月)に開催される「神在祭」をはじめとする地域の伝統的な祭りやイベントは、コミュニティの結びつきを体感できる貴重な機会です。
しかし、現場を歩く中で見落とせないネガティブな側面もあります。第一に「自家用車の維持が前提」である点です。JRや一畑電車などの公共交通網はあるものの、日常の買い物や子どもの送り迎え、郊外へのアクセスには世帯あたり複数台の車を所有する家庭が一般的です。第二に、冬場の「山陰型気候」です。日本海からの北西の季節風が吹き付け、日照時間が短くなる時期には、太平洋側の気候に慣れた人ほど心理的な適応期間を要します。