本作の歩みを振り返る上で欠かせないのが、歌い手・クリエイターたちとの有機的なコラボレーションの歴史です。
元々は、Eveの初期代表作となったフルアルバム『OFFICIAL NUMBER』(2016年)への提供楽曲として世に出た本作。Eveの中性的で透明感のあるボーカルは、宇宙の静寂とそこに漂う少年の孤独感を完璧に表現し、リスナーに鮮烈な印象を与えました。
その後、ナユタン星人自身の2ndアルバム『ナユタン星からの物体Z』に初音ミク歌唱版が収録され、動画共有サイトに投稿されると、ボカロファンコミュニティで爆発的な支持を獲得します。さらに、人気踊り手であるいりぽん先生によるキャッチーな振付動画が投稿されたことで、「踊ってみた」カルチャーを巻き込んだ一大ムーブメントへと発展しました。
初音ミクの無機質でどこか儚い電子声と、Eveの生々しい息遣いを感じさせる人間的な歌唱。この2つのアプローチが相互に補完し合ったからこそ、『惑星ループ』は単一の楽曲にとどまらない文化的なアイコンへと成長したのです。