海外駐在員や現地留学生コミュニティの体験談を検証すると、「I'm full」にまつわる小さな摩擦や後悔のエピソードは枚挙にいとまがありません。
米国系金融機関に勤務するある日本人アソシエイトは、現地のシニアマネージャーが自宅で開催したディナーに招かれた際の手記で次のように振り返っています。
「ホストの配偶者が腕によりをかけて作ったメインディッシュを勧められた際、悪気なく『No, I'm full!』と明るく答えてしまった。その瞬間、相手の笑顔がわずかに硬直したのを見逃さなかった。後日、現地の同僚から『料理を褒めずに単に満腹と言って断るのは、"もう結構、いらない"と突き放すように聞こえることがある』と指摘され、背筋が凍る思いをした」
また、英国留学を経験した語学学習者のSNS投稿でも、「現地のホームステイ先で毎晩のように『I'm full.』と答えていたら、ホストマザーから『口に合わなかったのかしら?』と心配そうに尋ねられた」という事例が報告されています。「I'm full」という乾いたフレーズは、聞き手によっては「これ以上食べる価値を感じない」「義務的に胃を膨らませただけ」という誤ったメッセージとして届いてしまうリスクを孕んでいるのです。