奥津軽いまべつ駅を語る上で欠かせないのが、駅舎の目と鼻の先に鎮座するJR東日本・津軽線の津軽二股駅の存在です。両駅は別の名称を名乗りながら、敷地としては完全に隣接しており、連絡通路を介して歩いて数分で移動できる極めて珍しい構造を持っています。
ここには鉄道運営上の複雑な境界線が関係しています。奥津軽いまべつ駅は本州にありながら「JR北海道」の管轄駅です(木古内〜中小国間の設備をJR北海道が管理しているため)。一方で、並行する在来線の津軽線は「JR東日本」の管轄。別会社がそれぞれ異なる駅名を維持した結果、同じ場所に新幹線「奥津軽いまべつ」と在来線「津軽二股」という2つの駅名が並立する不思議な光景が生まれました。
乗り換え事情には大きな変化が生じています。2022年8月の記録的豪雨により、津軽線の蟹田〜三厩間は壊滅的な路盤流失被害を受けました。以降、同区間では代行バスや予約制乗合タクシーによる輸送が長期間継続され、鉄路復旧ではなく地域交通の再編(バス転換)に向けた協議が進められてきました。これにより、かつて鉄道ファンが楽しんだ「新幹線からローカル普通列車への乗り継ぎ旅」は、現在では「新幹線から地域バス・乗合モビリティへの接続」へと移行しています。