街の自転車店を訪れる修理依頼のうち、異物が刺さったことによるパンクは全体の2〜3割程度に過ぎません。現場の整備士が口を揃えるのは、「パンク修理で持ち込まれる車両の約7割が空気圧不足に起因する内部損傷である」という実態です。
空気が不足した状態で走行を続けると、以下の3つの重大なトラブルが引き起こされます。
① 段差でチューブが挟まれる「リム打ちパンク」
空気圧が低いタイヤで道路の段差やキャッツアイに乗り上げると、衝撃を吸収しきれず、タイヤの内部でチューブがホイールの金属枠(リム)と地面に強く挟み込まれます。ヘビが噛んだような2本並んだ穴が開くことから「スネークバイト」とも呼ばれ、一瞬で空気が抜けて走行不能に陥ります。
② タイヤ側面のひび割れとケーシング破断
空気圧が足りないタイヤは、走行中に過度なたわみを繰り返します。ゴムの屈曲疲労が限界を超えると、側面に無数の細かい亀裂が発生します。この自転車タイヤのひび割れを放置すると、タイヤ内部の補強布(ケーシング)が裂け、走行中にバースト(破裂)を起こす危険性があります。
③ 走行抵抗の増大と電動車のバッテリー激減
空気圧が低下するとタイヤの接地面積が無駄に広がり、転がり抵抗が跳ね上がります。ペダルが重くなって足腰への負担が増えるだけでなく、電動アシスト自転車の場合はモーターが余計なパワーを消費し続けるため、1回の充電で走れる航続距離が20〜30%も低下する実測データが報告されています。