『南くんの恋人』を語る上で欠かせないのが、作品ごとに大きく異なる「結末(エンディング)」の選択です。原作者の内田春菊氏によるマンガ版は、非常に過酷で切ない結末を迎えることで知られています。
1994年版は原作のテイストを色濃く反映し、ちよみが元のサイズに戻ることなく命を落としてしまうという衝撃的なバッドエンドを選択しました。南くんが手のひらの上で動かなくなったちよみを抱きしめて号泣するラストシーンは、当時の視聴者に強烈なトラウマと深い余韻を残しました(のちにファンの熱烈な要望を受けて制作された1995年のスペシャル版でアナザーストーリーが描かれています)。
対照的に2004年版は、視聴者のカタルシスを重視した爽やかなハッピーエンドへと舵を切りました。さまざまな試練を乗り越えた末にちよみが元の大きさに戻り、二人が未来へと歩み出す展開は、平成のホームドラマ・青春ドラマらしい温かさに満ちていました。
2024年版の『南くんが恋人!?』では、サイズが小さくなった南くんが「すでにこの世の存在ではないかもしれない」という切ないサスペンスとファンタジーの要素を織り交ぜつつ、残された時間をどう生きるかという「生の輝きと家族愛」にスポットが当てられました。時代が求める優しさと生への肯定感が結末に反映されています。