台湾の性風俗と売春の歴史|公娼廃止から現在続く法制度の歪みまで

台湾の性風俗と売春の歴史|公娼廃止から現在続く法制度の歪みまで

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台湾における性風俗の管理体制は、統治主体の交代とともに大きく姿を変えてきました。日本統治時代(1895〜1945年)には、衛生管理と秩序維持を名目に近代的な公娼制度が導入され、台北の艋舺(現在の万華)や大稲埕などに「貸座敷(遊郭)」が整備されました。また、第二次世界大戦期には軍の関与による慰安所が設置されるなど、台湾の女性たちを取り巻く歴史には極めて複雑かつ痛ましい経緯が刻まれています。

戦後、国民党政権下でも公娼制度は引き継がれ、最前線基地であった金門島などには軍専用の慰安施設である「特約茶室(通称・八三一)」が設置されました。民間でも警察当局による登録制のもとで公娼館の営業が長らく認められていましたが、1990年代後半に大きな転換期を迎えます。

1997年、当時の台北市長・陳水扁が突如として公娼制度の即時廃止を宣言。これに対し、生活手段を奪われる女性たちが「日日春関懐互助協会」を結成して激しい抗議運動を展開しました。激論の末に2年間の猶予期間が設けられたものの、2001年3月をもって台北市の公娼館は完全閉鎖され、半世紀以上続いた公認体制は幕を閉じました。

小林 直樹
著者

小林 直樹

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