華々しい活躍から「若くして売れた天才声優」と見なされがちですが、その実態は極めてストイックな努力と下積みに支えられた叩き上げの表現者です。
埼玉県出身の高橋李依は、2011年の「第5回81オーディション」で特別賞を受賞し、養成所を経て81プロデュースに所属しました。初期は名前のない通行人役やモブキャラクターを多数演じながら、マイクワークや発声の基礎を地道に磨き上げました。ブレイクの契機となったアニメ『それが声優!』(2015年)では、新人声優の苦悩と奮闘を等身大で演じ、同作から派生したユニット「イヤホンズ」で泥臭いライブ活動を積み重ねています。
また、声優交代という業界でも特にプレッシャーの大きい局面となった『Fate/Grand Order』のマシュ・キリエライト役の引き継ぎにおいては、前任キャストへの深い敬意を払いながら、時間をかけて自身ならではの誠実なマシュ像を構築しました。こうした「現場での謙虚さと誠意」こそが、多くの監督や音響監督から指名され続ける最大の要因です。