『水平線』の原点は、2020年4月に下された「令和2年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の中止決定」にあります。この年の大会は、back numberのメンバー3人が生まれ育った群馬県をはじめとする北信越・東海地区を中心とした開催が予定されていました。地元開催の晴れ舞台を目指して血のにじむような努力を重ねてきた高校生たちにとって、開催中止はあまりにも残酷な現実でした。
この決定に心を痛めた大会運営の高校生スタッフから届いた一通の手紙が、清水依与吏を動かす決定打となります。清水自身、学生時代は陸上競技(やり投げ)に打ち込み、インターハイを目指して挫折した経験を持つ元アスリートでした。「誰よりも努力が報われない痛みを理解できる」立場にいたからこそ、高校生たちの悔しさが痛切に胸に刺さったと語られています。
清水依与吏は当時の公式コメントにおいて、「誰にも言えない悔しさややるせなさを抱えている人たちに対して、何かできることはないかと考えた」と明かしています。商業的なスケジュールやタイアップの制約を一切排除し、ただ純粋に「傷ついた人々へ手紙を届ける」という目的だけで、緊急かつ極秘裏に楽曲制作が進められました。